業種
ファクトリーオートメーション
本社
日本
従業員数
2,000 人以上 (FANUC Europe 社)
ファナック社は、コンピューター数値制御 (CNC) システム、産業用ロボット、CNC 工作機械の世界有数のメーカーです。
FANUC Europe 社は、2019 年にアプリケーションを文書化するためのリポジトリーとして、SAP LeanIX の使用を開始しました。当時、同社のアプリケーションは複数の担当者によって文書化され、登録されており、情報は一元管理されていませんでした。2021 年、エンタープライズアーキテクチャ部門が設立され、FANUC Europe 社のヨーロッパエンタープライズアーキテクトとしてカーステン・シューベルト (Carsten Schubert) 氏が就任しました。そのときから、FANUC 社は LeanIX のすべての機能と潜在能力を最大限に活用し始めました。シューベルト氏は、FANUC Europe 社全体の ICT を一元的かつ包括的に把握したいと考え、2022 年、FANUC Europe 社は BOOST プロジェクトを開始しました。これは、Oracle の J.D. Edwards (Enterprise One) ERP から SAP S/4HANA への移行という、大規模な ERP 変革でした。
シューベルト氏は次のように説明します。「FANUC Europe 社のセールスエンジニアの多くが ERP システムの拡張を求めていました。私たちは絶えず修正を行い、プロセスに合わせてソフトウェアを調整していましたが、ERP エコシステムに対するすべての変更を包括的に把握できていませんでした」
システムに対する変更は他の複数の領域に影響し、場合によっては悪影響を及ぼすこともあります。これは重大な問題でした。オブジェクト、プログラム、レポートなどの変更が膨大な数に及んだため、システムの更新がますます難しくなりました。その結果、効率が低下し、リソースが浪費されました。
最高情報責任者 (CIO) であるフォルカー・メンレ (Volker Maennle) 氏は、次のように述べています。「主な目標は、SAP S/4HANA に移行し、プロセスを標準化して、保守とサポートを容易にすることでした。「そこで、可能な限り標準化されたソフトウェアとプロセスを備えた ERP を新規導入するとともに、既存のさまざまなレガシーインターフェースを削減したいと考えました。SAP LeanIX はその実現に重要な役割を果たしました」
FANUC Europe 社の Boost プロジェクトは 2022 年に開始されました。これは業務効率化に向けた大規模な取り組みでした。FANUC Europe 社は、プロジェクトを支援するために、SAP のベストプラクティスに関する専門知識を持つ大手コンサルティング会社を雇いました。プロジェクトの目標は以下のとおりでした。
シューベルト氏は次のように述べています。「コンサルティング会社は FANUC Europe 社のプロセスを調べ、大きな Excel ファイルを渡してきました。インポートしたところ、これは骨の折れる作業でした。例えば、ビジネスケイパビリティに関するファイルは数百行もあり、その中にエラーがないことを確認する必要があったからです。さらに、変革のために数百種類のアプリケーション、データオブジェクト、インターフェースを分類し、更新する必要もありました。SAP LeanIXを使用することで、包括的なインベントリを作成し、それらの要素をビジネスケイパビリティにマッピングすることができました。それと同時に、さまざまな本稼動開始アプローチをモデル化するために、6000 を超える変革を作成しました」
ファナック社はグローバル企業であり、そのヨーロッパ子会社である FANUC Europe 社は EU 域内外のさまざまな地域で事業を行っており、地域によってビジネスフォーカスが異なります。ヨーロッパの ERP を移行する必要がありましたが、その中にはさまざまなビジネスプロセスやアプリケーションが含まれていました。そこで、FANUC Europe 社は 20 社を超えるヨーロッパの子会社のうち 3 社を皮切りに、フェーズを分けて本稼動を開始することにしました。そのため、さまざまなビジネスモデル、法律、および環境(EU/非 EU)が存在する広域が対象となりました。
第 2 フェーズでは、他の関連会社と欧州本社が続く予定です。ルクセンブルクにある本社には、他の事業部門にはない独自のプロセスがありました。ルクセンブルク本社は、ヨーロッパ全域を担当するオフィス倉庫およびカスタマイズセンターの拠点で、ここで FANUC Europe 社は事前設定済み製品の顧客固有のカスタマイズをすべて行っています。また、他の地域にある他の倉庫にも独自のプロセスがありました。
特殊な要件がある一部の関連会社は、第 3 フェーズで本稼動を開始するために引き続き JD Edwards を使用するのに対し、本社は SAP S/4HANA に切り替える必要がありました。つまり、レコードとドキュメントを SAP S/4HANA に切り替えるだけでなく、JD Edwards に対するインターフェースも必要でした。また、ERP と暫定的なインターフェースが混在する中間フェーズが存在することも意味していました。これは、各子会社の移行時期が異なるマルチフェーズアプローチということになりました。
シューベルト氏は次のように述べています。「ご想像のとおり、どのインターフェースを導入し、切り替え中に何をしなければならないかを把握するのは本当に大変な作業でした。ある時点で多くのアプリケーションやインターフェースを停止し、これまで使用したことのない特定の SAP 製品を起動する必要があることは認識していました。その際に何が起こるか、どのビジネスプロセスや機能が影響を受けるのかを確かめる必要がありました」
SAP LeanIX Services は、FANUC Europe 社がペースレイヤリング評価を実施し、レベル 1 およびレベル 2 のビジネスケイパビリティごとに推奨事項を設定して、それぞれの重要性を特定するのを支援しました。1 つ目はアンケートです。

イベントベースの関数は、アンケートまたは SAP LeanIX に直接入力された値に基づいて推奨事項(次の画像)を計算します。

「SAP LeanIX のビジネスケイパビリティファクトシートを活用して、より高度なビジネスケイパビリティ評価を実施しました。また、特定のチームメンバーの知識レベルや、プロジェクトの最終的なビジネス目標の達成度合いといった、いくつかの側面も評価に追加しました。これは、SAP LeanIX がなければ不可能でした」

ERP 変革を成功させるには、すべてのアプリケーション、インターフェース、データオブジェクト、コンポーネントをビジネスケイパビリティにマッピングすることが重要です。シューベルト氏は次のように述べています。「最大の課題は、このプロジェクトに関連するアクションが膨大な数に上ることでした。また、変革における特定の時点では、全く異なるデータフローが生じていました。そこで、MDM チームと協力してデータオブジェクトをモデル化しました。データオブジェクトがあり、特定の方法でデータオブジェクトを処理するアプリケーションがあれば、そのデータオブジェクトをアプリケーションおよびコンポーネントにマッピングし、これが文書化されることを確認する必要がありました」
LeanIX は、以下の整合性チェックの作成に役立ちました。
そこで SAP LeanIX が不可欠でした」
マイルストーンを設定しながら、想定外のイベントや課題に柔軟に対応できるタイムラインを作成したことも同様に重要でした。

「SAP LeanIX では、ロードマップのマイルストーンを移動したり、レポートで変革の進捗状況を時系列で示したりすることも非常に簡単です。また、シンプルな図を使って、アプリケーション間データフローやすべての接続関係を確認したり、この変革の取り組みにおける重要指標やその他の KPI を追跡したりすることもできます。さらに、次の移行段階に進む際、特に本稼働開始の際に、必要なことがすべて網羅されていることを確認することも可能です」
「例えば、上級管理職と話をする場合、彼らは細部には注目していません。彼らが知りたいのは現在の状況の大まかな概要であり、理解しやすい視覚化を求めることがよくあります。この良い例が、TIME(許容、投資、移行、廃止)フレームワークを使用したアプリケーションポートフォリオレポートで、アプリケーションの進化が時系列で直感的に視覚化されます。例えば、廃止対象に分類されたアプリケーションは赤色のバブルで視覚的に区別され、ステークホルダーはレガシーアプリケーションの削減状況を確認できます。一方、新規または改善されたアプリケーションへの投資は緑色のバブルで強調表示されます。これらの視覚化は、ビジネス変革プロジェクトが IT ランドスケープに与える効果を示します」

[アプリケーションポートフォリオレポートでは、アプリケーションポートフォリオを操作しながら、アプリケーション合理化評価の結果に対する理解を深めたり、ランドスケープがどのように変化するかを確認したりすることができます]
SAP LeanIX により、FANUC Europe 社は重要な情報のシンプル化や要約が可能になり、多くのステークホルダーが直感的に理解できるようになりました。「一方、IT マネージャーは、特定のアプリケーションやコンポーネントの背景にある詳細な技術情報を深く掘り下げて確認したい場合もあります(下図参照)。SAP LeanIX なら、PowerPoint プレゼンテーションや Excel スプレッドシートを探さなくても、すべてを唯一の正しい情報源で直接確認できるため、この作業がはるかに容易になります」

「また、SAP LeanIX により、ステークホルダーが同じレポート内のさまざまな属性を確認することも可能になりました。例えば、アプリケーションの機能的適合性や技術的適合性を表示した後、表示をビジネス重要性に切り替えることで、移行の影響を受けるビジネスクリティカルなアプリケーションを特定することができます。プロジェクトのどのフェーズでどのインターフェースが有効になり、どのインターフェースが無効になるかを確認することもできます。それが単なる画像やスプレッドシートではなく、信頼性の高いデータであり、貴重なインサイトを含んでいることをステークホルダーに理解してもらえれば、説得がはるかに容易になります」
FANUC Europe 社のサービスデスクは大幅な業務効率化を実現しました。シューベルト氏は次のように述べています。「ファクトシートにはチームメンバーの役割が明確に記載されています。「アプリケーションのオーナーや、ファクトシート内のデータの責任者を確認できます。例えば、SAP モジュールに関する情報を提供できる人を探している場合、SAP LeanIX ポータルに直接アクセスし、そのモジュールのビジネスオーナーや責任者を見つけることができます。これは非常に役立ちます。しかも、SAP アプリケーションだけでなく、Salesforce、ServiceNow、その他のツールなど、当社の ERP に関わるすべてのアプリケーションも対象に含まれます」
さらに、SAP LeanIX は FANUC Europe 社の陳腐化およびコンプライアンスリスク管理も改善しました。同社は、ソリューションを活用して、コンポーネントとアプリケーションやインターフェースとの関係をチェックし、コンポーネントを廃止する必要性の有無や廃止時期を確認しています。また、GDPR 関連データを容易に追跡し、必要に応じて監査レポートを作成することもできます。従来、これは手作業による非効率で時間のかかるタスクでした。
Boost は複数年のプロジェクトで、FANUC Europe 社は導入完了に近づいています。SAP LeanIX は、事前評価や設計といった主要なプロジェクトフェーズのナビゲートに役立ちました。次の大きなステップは、ServiceNow で新しい CMDB アプローチを完成させ、テクノロジーリスクとコンプライアンスに移行して、物理レイヤー全体を SAP LeanIX に接続することです。
シューベルト氏は、SAP LeanIX による継続的な Boost プロジェクトのサポートやガイドだけでなく、SAP LeanIX のアンケート機能やデータ収集機能を利用して、継続的な変革管理を実現することも計画しています。
「SAP LeanIX を使用して、さまざまな時点でさまざまなアンケートを実施することを計画しています。1 つはプロジェクトの進行中、もう 1 つはプロジェクトの完了後 1 年または 2 年です。最初のアンケートでは、プロジェクトが当社のビジネスケイパビリティにもたらす効果をユーザーに予測してもらい、2 つ目のアンケートでは、プロジェクトが当社のビジネスケイパビリティに与えた影響を評価してもらいます。この情報は、プロジェクトが当社のケイパビリティにもたらす効果の予測の成熟度を高めることで、将来のプロジェクト計画を改善するのに役立ちます」

NSW Department of Education
NSW Department of Education: Transforming business to better support students and teachers